|
|

|
福岡市には、「海に開かれたアジアの交流拠点づくり」という都市政策目標があります。我が国で最もアジアに近接した政令指定都市という地勢学的特徴と役割を集約したこの政策は、福岡市において、おそらく21世紀も脈々と生き続ける「まちづくりの文脈」となることでしょう。その「アジアの交流拠点都市」であることを、今を去ること数十万年前から博多湾で証明している生きもの達がいます。それは、毎年晩秋から春にかけて、私たちの母なる室見川を訪れる水鳥たちなのです。古来から、室見川河口域は、東アジアや朝鮮半島や日本海を渡る鳥たちにとっては、ちょうど良い休憩場所であったと言われております。きっと海を渡って来た鳥達は、温かくて餌の豊富なこの地域を選び、数ヶ月の滞在で元気を取り戻し、遠くアジア、極東に飛び立っていったのでしょう。 |
|
アジア・極東の鳥たちは、そうした大昔から今日に至るまで、私たち人間に先駆けて福岡/博多湾をアジアの交流拠点と位置づけていたのです。
現在でも、室見川河口域で見られる野鳥の種類は100種類以上と非常に多く、都心に近い地域で、これだけの野鳥が飛来し、生息するケースは全国的に見ても稀だということです。 |
 |
|
 |
とりわけ、カンムリカイツブリ、ミサゴ、ヘラサギなど9種類の貴重種の存在は、学術的にも大変興味深いものとされており、室見川を「母なる川」とする私たち市民は、その恩恵に浴する立場であると共に、日本中の愛鳥家に対して責任の一端を担う立場にあります。
実は、室見川も昭和40年から50年にかけて、住宅開発による大量の生活排水がもたらすヘドロ化で、その清流度が著しく低下したことがあります。
このような、発展途上期における人間の無知がもたらした環境上の危機は、その後の市当局や市民、そしてシロウオ漁にたづさわる方々の懸命の努力で克服されつつありますが、まだまだ往年の自然を取り戻すまでに至っていません。 |
|
私は、室見川が福岡市を代表する都心のエコロジカル・リバーとして、これからも清流度を高め続けながら、ふる里早良区の原風景として、その風物誌に磨きをかけて欲しいと思っています。
それ故、自らの政治活動の中心テーマに「室見川の自然の再生」を据えて、これをライフワークにしたいと考えて参りました。
しかし、それは最新のエコ技術や土木改良工事を駆使しても、一朝一夕に効果が期待できるものではありません。
むしろ、日常生活における私たち市民の、室見川に対する関わり方こそ大切ではないかと思います。
これからは、環境保全という欠けがえの無い知恵を持った私たち流域住民が、川を利用するだけでなく、或いは川を治めるだけでなく、川を愛する気持ちを、今まで以上に持ち続けることだと思っています。
鳥が生きてゆけない環境は、人間にも不的確な 環境であると言われますが、これからは、「人か、鳥か」ではなく、「人も、鳥も」の時代なのだということを心しなければなりません。 |