「自然を学ぶ」ということは、すべての生物が互いに連関する世界の中で生きていることを知ることだと思います。
 知人からお聞きした話ですが、樹木は普通の状態を保てば、たいてい数百年間生き続けるものです。理屈の上では、こういう樹木は数百年の間に一粒の実をつけるだけでも種の維持は可能になるわけです。しかし、樹木はあれほど多くの実を毎年実らせています。それは樹木が連関する自然体系の一員だからというのです。
 樹木は、土中の無数の微生物から動物や鳥、昆虫など周りで生きるさまざまな動植物に支えられて生きており、またこの連関を維持していく上で、多くの実をみのらせることもまた必要なのです。
 「人はひとりでは生きられない。」とは良く言われることですが、自然界に棲む動植物もまた、それぞれ関係し合い、役割りを果しながら生きているのです。


 いま、地元早良区では、区役所と地元住民による「早良ふるさといきもの里づくり連絡協議会」が結成され、「さわら・水と緑とほたるの里づくり」事業に取り組まれています。地元の自然を愛する人々をはじめ、中学生、幼稚園児までがこの事業に参加し、室見川の中・上流域の清掃やほたるの幼虫飼育から放流までやって下さっている。有難いことだと思います。また、こんな心温まる活動に参加している子供たちは、現代社会を悩ませている非行や犯罪と無縁の人生を送るのではないかと嬉しく思います。
 子供の頃教えていただいたことですが、ほたるは川辺の湿った草に卵を産み、そこで育った幼虫は、すぐに川の中に入り、カワニナという貝を食べて大きくなります。
そして十分に大きくなったら陸に上がり、土に穴を掘って、その中でさなぎになるといいます。つまり、ほたるはきれいな水、餌としてのカワニナ、そして、水々しい草とやわらかい土などとの連関を抜きにして生きられないそうです。「治水」に名を貸りたコンクリートで固められた川では生きていけないのです。
 私は、母なる室見川流域において、ほたるの光が蘇りつつあることに心から感謝すると共に、決してそれを一過性の灯にしてはならないと考えています。幼虫を放流しなくても、ほたるが生きられる、生き続けられる室見川にすることが、私たち人間の自然に対する恩返しだと思います。室見川は制度上、福岡県の管理下にありますが、この欠けがえの無い自然を保護するためにも、議会、市当局と一緒になって、室見川の自然と人間の関係について研究を深め、積極的に関与していきたいと考えています。


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